エネルギーシステム学とは
ここでは、最初にエネルギー需給の説明から始めて、その後に「エネルギーシステム学」を概観することにします。
エネルギーシステム学入門:講義録
WEBページの整備に時間を要しますので、とりあえず、最近の講義録を添付しておきます。
この内容を、以下に展開していきます。
エネルギー需給の歴史を振り返る
人類の長い歴史の中で、人類が化石燃料を使用した期間は非常に短い。1800年頃にヨーロッパで起こった産業革命を機に化石燃料利用の歴史が始まったと考えると、その歴史はまだ200年余りということになるります。一方、人類の祖先がチンパンジーから分かれたのが600〜700万年前と言われています。この人類の歴史に比べて人類が化石燃料を使用した期間は何と短いことでしょう。でもその化石燃料によって、人類の生活は大きな変化を遂げることとなりました(この点については、後に再度、考えてみたいと思います)。もちろん、物理的に考えても地球上の資源が有限であることから、このまま化石燃料を使い続けると太陽エネルギーや地熱が化石燃料を作る時間よりも遥かに短い時間で、人類にとって利用可能な化石燃料がなくなってしまいます。もちろん、化石燃料が地球からなくなる、ということではなく、徐々に使いにくくなり、そのうち人類が普通に使えるエネルギー資源はなくなることを意味しています。そして、2021年の菅首相の2050年カーボンニュートラル宣言で日本でも大騒ぎになっていますが、再生可能エネルギーを軸とする生活へと戻ることが検討されています。もちろん、昔の生活に戻るのではなく、化石燃料を用いて開発された多様な技術を用いて、どのような生活を送ることができるのかを考えることとなります。その時に、現状から移行可能な世界であることが重要となります。なお、選択肢として、核エネルギーの利用も忘れてはいけませんが、この点についても後ほど考えてみます。