謹賀新年

新年、あけましておめでとうございます。
2022年の幕が開きました。
2020年から始まった新型コロナウィルスの騒動は、ウィルスがアルファ株からオミクロン株へと姿を変え、今また感染者を増やしつつあります。3年目に入ったこの騒動の今後が案じられますが、医学での対策に加えて、あらゆる人間活動においてこの問題に対する対応策を考えることが求められています。その際には、あまり考えたくないことなのですが、もはや感染防止だけではなく、生活や教育を介した人間の成長とのバランスをとることも余儀なくされています。特に若い人たちには、今しか経験できないことがあり、その経験を避けて通ることは好ましいことではありません。
一方で、化石燃料を使って科学技術を発展させ、その結果人類が手にしたデジタル技術もいろいろと活用することができます。地球規模の気候変動もその一つですが、さまざまな問題が我々の目の前に広がり始めています。中でも危惧すべきは、前述のウィルス感染問題と、もう一つが、色々な国で再び戦争を起こそうとする動きが目につき始めていることです。多くの人が、始めてはいけないことを分かっていても止めることのできなかった、第二次世界大戦の経験も踏まえる必要があります。世界を破滅させるとすれば、ウィルスか、核戦争か、と昔から言われていました。その二つともが、今、目の前に横たわっているとすれば、そしてその双方とも避けたいと思う人々がいるのであれば、皆で知恵を出し合うときなのだと思います。
「学びて思わざれば則ち罔し(広い知識を身につけても、自分でそれについてよく考えなければ、本当に理解することはできない)」なのですが、「思いて学ばざれば則ち殆あやうし(ひとりで考えるばかりで、広い知識を身につけようとしなければ、独断に陥る危険がある)」であることを忘れてはなりません。
戦争の原因が経済問題であるとすると、発展途上国の安価な人件費の上に立って経済を発展させてきた工業化国の経済成長の図式はもはや限界が見えていることから、種々の問題の全てのピースを組み合わせることにより、新たな将来世界を描くときが来ているのでしょう。いうまでもなく、その絵は、色々な立場にある人や国の現状から移行可能な内容でなければなりません。単純な理想郷の絵を描いても始まりません。それ故、その絵を一人で描くのではなく、多くの人の知恵を総動員して描くことが求められています。
これは過去に人類が経験したことのないチャレンジであり、最初からうまく行くはずもありませんが、やりようによっては結構楽しい作業となるようにも思われます。色々な組織の人間は、その過去に例を見ない活動を積極的に支える必要があります。今、各所で取り上げられているSDGsの活動も、その活動の支援を当面の目標とすればわかりやすいのではないでしょうか?
そして、まず隗より始めよ、でもないのですが、私も色々と始める一年としたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします。
手塚哲央